遠藤航は、日本を代表するサッカー選手であり、プレミアリーグの名門リヴァプールFCで活躍するミッドフィールダーです。
神奈川県出身の彼は、Jリーグから欧州のトップリーグへとステップアップし、日本代表のキャプテンとしてワールドカップでの躍進を支えてきました。
球際の強さと戦術理解度の高さで「デュエル王」の異名を持つ遠藤のキャリアを、少年時代から現在までの軌跡を通じて紹介します。
少年時代とキャリアの始まり
遠藤航(えんどう・わたる)は、1993年2月9日、神奈川県横浜市戸塚区に生まれました。
小学1年生でサッカーを始め、横浜F・マリノスの熱心なファンとして父親と日産スタジアムに通いました。
しかし、マリノスのプライマリー(小学5・6年生)やジュニアユースのセレクションに落選するなど、幼少期は挫折も経験しました。
中学進学時に地元のクラブに入る予定でしたが、湘南ベルマーレユースからオファーを受け、神奈川県立金井高等学校に進学すると同時に湘南ユースに加入しました。
高校2年時には第64回国民体育大会で神奈川県少年選抜のキャプテンとして優勝に貢献。
2010年、湘南ベルマーレに2種登録選手として登録され、17歳でJリーグデビューを果たしました。
2011年にトップチームに昇格し、プロキャリアをスタートさせました。
Jリーグでの飛躍
湘南ベルマーレ(2010-2015)
湘南ベルマーレでは、若手ながら守備的ミッドフィールダーやセンターバックとして活躍しました。
球際の強さと冷静な判断力を武器に、2013年にはJ2リーグ優勝とJ1昇格に貢献。
2014年にはJ1でレギュラーとして33試合に出場し、プロとしての基盤を築きました。
この時期、遠藤は「デュエル」(1対1の球際の戦い)での強さを発揮し、後の欧州での成功の礎となりました。
浦和レッズ(2016-2018)
2015年12月、遠藤は浦和レッズに完全移籍しました。
2016年にはJリーグカップで優勝し、プロ初タイトルを獲得。
2017年にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝し、国際舞台での初タイトルを手に入れました。
このACL制覇は、遠藤にとって大きな自信となり、海外移籍への意欲を高めました。
同年、北朝鮮戦で日本代表デビューを果たし、国際キャリアの第一歩を踏み出しました。
欧州での挑戦
シント=トロイデン(2018-2020)
2018年、遠藤はベルギーのジュピラー・プロ・リーグのシント=トロイデンVVに完全移籍しました。
初の海外挑戦では、言語や文化の壁に直面しながらも、持ち前の適応力でレギュラーポジションを確保。
2018-20シーズンで22試合に出場し、2ゴールを記録しました。
ベルギーでの経験は、欧州サッカーのスピードとフィジカルを学ぶ貴重な機会となり、次のステップへの準備を整えました。
VfBシュツットガルト(2019-2023)
2019年8月、遠藤はドイツ・ブンデスリーガ2部のVfBシュツットガルトにレンタル移籍し、2020年4月に完全移籍しました。
2部での初シーズン(2019-20)では、昇格争いの直接対決で初ゴールを挙げ、チームのブンデスリーガ1部復帰に貢献。
2020-21シーズンには1部で圧巻のパフォーマンスを見せ、2ゴール2アシストを記録し、独誌でベストイレブンに選出されました。
遠藤の最大の特徴は「デュエル」の強さで、2020-21と2021-22シーズンにブンデスリーガのデュエル勝利数1位を獲得し、「デュエル王」の称号を得ました。
2021年にはシュツットガルトのキャプテンに就任。若手が多いチームでリーダーシップを発揮し、2022年カタールW杯では日本代表の不動のボランチとしてドイツ、スペイン撃破に貢献しました。
シュツットガルトでは3シーズンで99試合に出場し、14ゴールを記録しました。
リヴァプールFC(2023-現在)
2023年8月、遠藤はイングランド・プレミアリーグの名門リヴァプールFCに推定移籍金1600万ポンド(約27億円)で加入しました。
当初は「リヴァプールのレベルにない」との批判もありましたが、持ち前の努力と戦術理解度で信頼を勝ち取りました。
2023-24シーズンにはリーグ戦34試合に出場し、1ゴールを記録。
2024-25シーズンも守備の要として貢献し、監督のアーネ・スロットから「重要な選手」と称賛されています。
リヴァプールではチャンピオンズリーグ(CL)でも活躍し、PSG戦など大舞台での存在感を示しています。
日本代表での活躍
遠藤は2017年に日本代表に初選出され、2018年ロシアW杯では出場機会がありませんでしたが、2022年カタールW杯では全試合に先発出場。
ドイツ戦やスペイン戦での勝利に大きく貢献し、日本代表のベスト16進出を支えました。
2023年6月には日本代表キャプテンに就任。
W杯アジア最終予選では「W杯優勝」を目標にチームを牽引しています。
遠藤のバックアップ不在が課題とされる中、彼の安定感は森保ジャパンの要です。
プレースタイルと評価
遠藤のプレースタイルは、球際の強さと戦術理解度の高さが特徴です。
守備的ミッドフィールダーとして相手の攻撃を寸断し、正確なパスで攻撃の起点となります。
ブンデスリーガでのデュエル勝利数は彼のフィジカルと読みの鋭さを証明し、リヴァプールでも中盤のバランスを整える役割を果たしています。
また、シュツットガルト時代に培ったリーダーシップは、若手選手への指導やチームの団結力向上にも活かされています。
プライベートと影響力
遠藤は投資を趣味とし、父親の影響で18歳から株式投資を始めました。
著書『DUEL 世界で勝つために「最適解」を探し続けろ』では、ピッチ上での思考やリーダーシップを語り、ファンに新たな一面を示しています。
また、「月刊・遠藤航」では試合解説やトークイベントを通じてサポーターと交流。
2025年にはリヴァプールが横浜F・マリノスと対戦予定で、故郷での凱旋試合が注目されています。
まとめ
遠藤航は、湘南ベルマーレでのデビューからリヴァプールでの活躍まで、努力と適応力でキャリアを築いてきました。
Jリーグ、ベルギー、ドイツ、イングランドとステップアップし、日本代表キャプテンとしてW杯優勝を目指しています。
デュエル王の名にふさわしい球際の強さとリーダーシップで、遠藤は日本サッカー界の誇りです。
これからも彼の挑戦は、世界の舞台で輝き続けるでしょう。
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