PPDAは「Passes Per Defensive Action」の略で、相手チームが自陣でどれだけ楽にパスを回せているか、つまり守備側のプレッシャーの強さを表す指標です。
具体的には、相手チームがパスを何本つないだ後に、守備側がタックルやインターセプト、ファウルといった守備アクションを起こしたかを数値化したものです。
この数値は、ピッチの自陣寄りではなく、相手陣に近いエリアで区切って計算されるのが一般的です。
数値が低いほど、相手に少ないパス数しか許さずにボールへアプローチできている、つまり前線からの守備が激しいということになります。
逆に数値が高ければ、相手に自由にパスを回させている時間が長く、プレッシャーの度合いが弱いと解釈されます。
たとえばPPDAが8であれば相手が平均8本パスを回すごとに守備側が何らかのアクションを起こしていることになり、これが15を超えるようであれば、相手を追い込む頻度がかなり少ないチームだと見なせます。
この指標が生まれた背景には、感覚的に語られがちだった「プレッシャーの強さ」を数字で比較したいという需要がありました。
StatsBombのアナリストであるColin Trainor氏が2014年に発表した分析記事の中で、Opta社のデータをもとにこの考え方をまとめたのが始まりとされています。
それ以前は「よくボールを追い回している」「運動量が多い」といった印象論でしか語れなかったプレッシャーの強度が、この指標によって数字として比較できるようになりました。
この指標がよく使われるのは、いわゆる「ハイプレス」を採用するチームの強度を客観的に比べたいときです。
見た目の印象だけでは「よく追い回している」という程度しか分かりませんが、PPDAを使うことで、シーズンを通じてどのくらい一貫してプレッシャーをかけ続けているかを数字で追うことができます。
試合ごとの上下動も見えるため、対戦相手によってプレッシャーの強度を意図的に変えているかどうかを確認する材料にもなります。
一方で、この数値だけでチームの守備力そのものを判断するのは注意が必要です。
あくまで「相手に持たせる時間の長さ」を表すものであり、実際に失点を防げているかどうかとは別の話だからです。
ボールを保持する時間が長いチームと対戦した場合は自然とパス数が増えやすくなりますし、あえて撤退して守るチームであれば、プレッシャーをかけていないのではなく、戦術として意図的にラインを下げている場合もあります。
数字の裏にある狙いまでは、この指標だけでは読み取れません。
そのため、PPDAは単独で結論を出すための数値というより、他のデータや実際の試合映像と組み合わせて使う、いわば補助的な物差しとして扱われることが多いです。
守備の内容を見る際の一つの参考材料として使われる指標だと捉えるのが妥当です。
















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