日本サッカー界を代表するアタッカー、南野拓実選手は、国内から欧州のトップクラブへ活躍の場を移し、数々のタイトルを獲得してきました。
2025年12月現在、フランス・リーグ・アンのASモナコに所属する彼は、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で日本人最多得点記録を更新するなど、30歳を迎えた今も進化を続けています。
南野選手のこれまでの歩みを振り返ります。
ユース時代とセレッソ大阪でのプロデビュー
南野拓実選手は1995年1月16日、大阪府泉佐野市に生まれました。
小学校時代にゼッセル熊取FCでサッカーを始め、2007年にセレッソ大阪のユースチームに入団します。
中学時代から頭角を現し、U-15、U-18で活躍。
2012年、17歳でトップチームに2種登録され、J1リーグデビューを果たしました。
2013年、高卒ルーキーとして本格的にプロキャリアをスタート。
開幕戦からスタメン出場を果たし、リーグ戦29試合で5得点を記録します。
ジュビロ磐田戦でのリーグ初得点は、クラブ最年少記録を更新するものでした。
この活躍により、Jリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞。
2014年もレギュラーとしてプレーしましたが、チームはJ2降格という悔しい結果に終わりました。
セレッソ大阪時代は、通算でリーグ戦62試合7得点をマークしました。
欧州挑戦の第一歩:レッドブル・ザルツブルクでの飛躍
2015年1月、南野選手はオーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ完全移籍します。
背番号18を背負い、すぐに適応。
初シーズンからリーグ優勝に貢献し、以降、ブンデスリーガ5連覇、オーストリア・カップ4回の優勝を経験しました。
特に印象的だったのは欧州大会での活躍です。
2018-19シーズンのUEFAヨーロッパリーグでは、ローゼンボリBK戦で日本人初のハットトリックを達成。
2019-20シーズンにはCLグループステージでリヴァプール戦でゴールとアシストを記録し、世界のビッグクラブの注目を集めました。
ザルツブルク通算136試合42得点という成績は、彼の得点力を証明するものです。
チームメイトのアーリング・ハーランドとともに、欧州サッカーの新星として輝きました。
リヴァプールでのプレミアリーグ制覇と試練
2019年12月、リヴァプールが南野選手のリリース条項を行使し、2020年1月に移籍が決定。
移籍金は約725万ポンドで、リヴァプール史上初の日本人選手となりました。
デビューはFAカップのエヴァートン戦。プレミアリーグでは出場機会が限られましたが、2019-20シーズンのリーグ優勝に貢献します。
2020-21シーズンはコミュニティ・シールドで初得点、リーグ戦でクリスタル・パレス戦でのゴールなどを見せました。
一時、サウサンプトンへレンタル移籍し、プレミア適応を深めます。
2021-22シーズンに戻ると、カラバオカップとFAカップで活躍。
カップ戦で合計10得点を挙げ、両大会の優勝に寄与しました。
特に、途中出場からの素早いゴールが印象的でした。
リヴァプール通算では、プレミアリーグ30試合4得点。CL決勝のベンチ入りも経験しました。
ASモナコでの復活とさらなる成長
2022年6月、ASモナコへ完全移籍。
初シーズンは適応に苦しみ、リーグ戦18試合1得点に終わりましたが、2023-24シーズンに恩師アドルフ・ヒュッター監督が就任すると本領発揮。
リーグ戦30試合9得点6アシストを記録し、チームのCL出場権獲得に貢献。
リーグアンのベストイレブンに選出され、モナコのMVPに輝きました。
2024-25シーズンも安定した活躍を続け、2025-26シーズンに入るとさらに加速。
CLガラタサライ戦でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれ、PSG戦では決勝点を挙げました。
CLでは日本人最多得点記録を更新するなど、攻守にわたる貢献が目立ちました。
リーグ戦では15試合3得点2アシストを記録していました。
日本代表での活躍と突然の重傷
南野選手は2015年に日本代表デビュー。
2019年AFCアジアカップでは準優勝に貢献し、決勝でゴールを決めました。
2022年カタールW杯では背番号10を背負い、出場しましたが、クロアチア戦のPK失敗が悔やまれます。
森保ジャパンでは通算73試合26得点を記録し、得点数でチームトップクラスです。
しかし、2025年12月21日のフランスカップ・オセール戦で左膝を負傷。
検査の結果、前十字靱帯断裂と診断されました。
通常、全治6〜10カ月を要する重傷で、2026年北中米W杯出場が絶望的となりました。
日本代表にとって大きな痛手です。
最後に
南野拓実選手のキャリアは、努力と適応力の結晶です。
国内から欧州トップレベルへ駆け上がり、数々のタイトルを獲得してきました。
重傷を乗り越え、再びピッチに戻る日をファン一同、心待ちにしています。












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