エンゴロ・カンテは、近年のサッカー界において最も注目されるミッドフィールダーの一人です。
彼の驚異的なスタミナ、卓越した守備力、そして献身的なプレイスタイルは、クラブと代表チームの両方で輝かしい成功を収めてきました。
この記事では、カンテのキャリアとその独特なプレイスタイルについて詳しく見ていきます。
エンゴロ・カンテのキャリア
初期のキャリア
エンゴロ・カンテは、1991年3月29日にフランスのパリ郊外で生まれました。
彼の両親はマリから移民してきた労働者で、貧しい環境で育ったカンテは、幼少期から労働の大切さを学びました。
サッカーキャリアをスタートさせたのは、フランスの地域クラブ「JSスレンヌ」でした。
カンテはその後、20歳の時にフランスのリーグ2のクラブ「ブローニュ」でプロデビューを果たします。
カーンでのブレイク
2013年、カンテはフランスの「カーン」に移籍し、ここでその才能を開花させます。
カーンでの2シーズンで彼は中心選手となり、チームをリーグ2からリーグ1への昇格に導く重要な役割を果たしました。
特に守備的な役割だけでなく、ボール奪取から素早く攻撃に移る能力で評価され、ヨーロッパ中のクラブから注目されるようになりました。
レスター・シティでの奇跡の優勝
2015年、カンテはイングランドの「レスター・シティ」に移籍しました。
当時の移籍金は約560万ユーロでしたが、この金額はカンテの後の活躍に比べれば非常に控えめなものでした。
彼はすぐにクラウディオ・ラニエリ監督の信頼を得て、レスターの中盤を支えるキープレイヤーとなります。
2015-16シーズン、カンテの活躍はレスター・シティがプレミアリーグ史上最大の奇跡の一つと言われる初優勝を達成する原動力となりました。
カンテはそのシーズンを通して、プレミアリーグで最も多くのタックルとインターセプトを記録し、守備的ミッドフィールダーとしての真価を発揮しました。
このレスターでの活躍により、カンテは一躍世界的なスター選手となり、翌年にはイングランドの強豪「チェルシー」へ移籍することとなります。
チェルシーでの成功
2016年、カンテは「チェルシー」に移籍し、すぐにアントニオ・コンテ監督のチームで中心的な役割を果たしました。
チェルシー移籍後すぐに、カンテは再びプレミアリーグ優勝を果たし、2016-17シーズンに2年連続でプレミアリーグ制覇を成し遂げます。
さらに2018年には、チェルシーでFAカップ優勝、2019年にはヨーロッパリーグ優勝を達成しました。
そして、2021年には、チャンピオンズリーグでの圧倒的なパフォーマンスを見せ、チェルシーをヨーロッパ制覇に導きました。
特に、マンチェスター・シティとの決勝戦では、彼の中盤での存在感が試合を支配し、チームの勝利に大きく貢献しました。
アルイテハドへ移籍
2023年の6月にサウジアラビアのプロリーグで、アルイテハドと契約しました。
フランス代表での活躍
カンテは2016年にフランス代表デビューを果たし、すぐにレギュラーに定着します。
2018年、フランス代表の一員としてロシアワールドカップに出場し、同大会で優勝を経験しました。
カンテの無尽蔵のスタミナとボール奪取能力は、フランス代表の優勝において不可欠な要素となりました。
エンゴロ・カンテのプレイスタイル
守備的ミッドフィールダーとしての役割
エンゴロ・カンテのプレイスタイルの最大の特徴は、守備的ミッドフィールダーとしての圧倒的な能力です。
彼はゲームを通じて広範囲をカバーし、相手の攻撃を寸断する能力に優れています。
特に、タックルやインターセプトで相手のボールを奪う技術は世界トップクラスです。
カンテはポジショニングが非常に優れており、常に相手のパスコースや動きを読んで先手を打つことができます。
このため、相手にプレッシャーをかけてミスを誘う場面が多く、チームにとって守備の要となっています。
無尽蔵のスタミナと走力
カンテのもう一つの大きな特徴は、その驚異的なスタミナです。
試合を通じて全力でピッチを駆け巡り、攻守にわたって献身的なプレーを続けます。
彼は1試合を通して常にハイレベルなパフォーマンスを発揮し、チームメイトからも信頼されています。
彼の走行距離はしばしば試合の中で最も多く、どんな場面でも効果的にポジショニングを取ることができるのです。
攻撃への貢献
カンテは守備的な選手として有名ですが、攻撃面でも貢献しています。
彼はボールを奪取した後、すぐに攻撃に転じる能力を持っており、素早く前線にボールを運ぶためのパスを供給します。
また、自身が前線に進出してチャンスを作り出すこともあり、ゴールやアシストを記録する場面も少なくありません。
特に彼のクイックなパスやドリブルは、相手の守備を崩すために効果的です。
チーム全体の攻撃の流れを滑らかにし、ゲームを支配する重要な役割を果たしています。
謙虚さとリーダーシップ
カンテのプレイスタイルは非常に謙虚で、自己犠牲的です。
彼は常にチームのために働き、自己主張をほとんどしません。
派手なプレーを好む選手ではなく、あくまでチームのために裏方として仕事をこなすタイプです。
しかし、その謙虚さはチームメイトや監督から高く評価されており、彼の存在がチームの安定感を支えています。
さらに、彼のリーダーシップも重要な要素です。
カンテは口数は少ないものの、その献身的なプレーと冷静な判断力によって、ピッチ上で自然とリーダーシップを発揮しています。
彼の冷静沈着な姿勢は、特にプレッシャーのかかる試合でチームを落ち着かせる効果があります。
最後に
エンゴロ・カンテは、フランスからスタートし、イングランドで大きな成功を収めたサッカー選手です。
彼のキャリアは、レスター・シティでのプレミアリーグ優勝から、チェルシーでの国内外のタイトル獲得、そしてフランス代表としてのワールドカップ優勝に至るまで、輝かしいもので満ちています。
彼のプレイスタイルは、圧倒的な守備力と無尽蔵のスタミナを誇り、チーム全体を支える存在として、常に重要な役割を果たしています。
カンテはその謙虚さと献身的な姿勢で、今後もサッカー界において多くの人々に愛され続けることでしょう。
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