マンチェスター・シティFC:イングランド

マンチェスター・シティFC

 

マンチェスター・シティFCは、イングランド・プレミアリーグに所属する名門サッカークラブで、その歴史は成功と挫折に彩られています。

1880年に創設されて以来、数々のタイトルを獲得し、特に近年は世界的な強豪として君臨しています。

この記事では、クラブの歴史を振り返り、過去と現在の主な所属選手を紹介し、その魅力を探ります。

クラブの歴史

創設と初期(1880~1920年代)

マンチェスター・シティは1880年、ウェスト・ゴートンのセント・マークス教会のメンバーによって「セント・マークス(ウェスト・ゴートン)」として設立されました。

地域のギャング暴力やアルコールの問題を抑えるための社会活動の一環として生まれ、1887年にアードウィックAFC、1894年に現在のマンチェスター・シティFCに改名しました。

クラブは1892年にフットボールリーグに加入し、1899年に2部リーグ優勝で1部昇格を果たします。

1904年、クラブは初の主要タイトルであるFAカップを獲得。

 

 

ボルトン・ワンダラーズを1-0で破り、マンチェスターで初の主要タイトルを獲得したクラブとなりました。

しかし、1906年に17選手が金銭スキャンダルで出場停止となり、キャプテンのビリー・メレディスがライバルのマンチェスター・ユナイテッドに移籍するなど、波乱も経験します。

1923年には、ハイド・ロードのスタンド火災を機に、メイン・ロードへ移転しました。

中期の成功と低迷(1930~1990年代)

1930年代はクラブの黄金期の一つで、1933年と1934年に連続でFAカップ決勝に進出。

1934年にはポーツマスを破り2度目の優勝を達成し、同年のストーク・シティ戦では84,569人の観客動員を記録。

これは2016年までイングランドクラブのホーム最高記録でした。

1937年には初の1部リーグ優勝を飾るも、翌年には得点王ながら降格する異例の事態に。

1950年代には、ドン・レヴィーによる「レヴィー・プラン」で再び注目を集め、1955年と1956年のFAカップ決勝に進出。

1956年にはバーミンガム・シティを3-1で破り、GKバート・トラウトマンが首を骨折しながら完封した試合として伝説に。

 

 

1960~70年代はジョー・マーサーとマルコム・アリソンの指導の下、1968年にリーグ優勝、1969年にFAカップ、1970年にリーグカップとUEFAカップウィナーズカップを獲得し、黄金期を築きます。

しかし、1980年代以降は低迷期に突入。

1981年のFAカップ決勝敗退を機に下降し、1998年にはクラブ史上初の3部降格を経験。

ファンにとっては苦難の時期でしたが、1999年の劇的なプレーオフ勝利で2部復帰を果たし、2002年にプレミアリーグ復帰を決めます。

現代の黄金時代(2008年~)

2008年、アブダビ・ユナイテッド・グループによる買収でクラブは一変。

シェイク・マンスールの手厚い投資により、ロビーニョ、カルロス・テベス、ダビド・シルバらスター選手を獲得。

2011年には35年ぶりのFAカップ優勝、2012年には劇的な最終節でのリーグ優勝(アグエロの「93:20」ゴール)を達成。

 

 

ペップ・グアルディオラが2016年に監督に就任すると、クラブはさらなる飛躍を遂げます。

2017-18シーズンにはプレミアリーグ史上初の100ポイントを記録し、2018-19シーズンには国内3冠(リーグ、FAカップ、リーグカップ)を達成。

 

 

2020-21から2023-24まで史上初の4連覇を果たし、2023年にはUEFAチャンピオンズリーグ初優勝を含む3冠を獲得。

 

 

エティハド・スタジアム(2003年移転)を本拠地に、世界屈指のクラブとして君臨しています。

主な所属選手

マンチェスター・シティの歴史を彩った選手たちを、過去と現在のスターに分けて紹介します。

歴史的な名選手

バート・トラウトマン(1949-1964、GK)

第二次世界大戦の元ドイツ兵捕虜で、加入当初は批判を浴びたが、驚異的なセーブでファンを魅了。

1956年FAカップ決勝での「骨折プレー」はクラブの伝説。

545試合に出場し、クラブ殿堂入り。

コリン・ベル(1966-1979、MF)

「キング・オブ・キップス」と呼ばれ、155ゴールを記録した中盤の要。

1968年リーグ優勝や1970年カップウィナーズカップに貢献。エティハドのスタンドは彼の名を冠する。

セルヒオ・アグエロ(2011-2021、FW)

クラブ歴代最多260ゴール(リーグ184ゴール)。

2012年の劇的決勝ゴール「93:20」で44年ぶりのリーグ優勝をもたらし、5度のリーグ制覇に貢献。

ファンから愛されるレジェンド。

 

 

ダビド・シルバ(2010-2020、MF)

スペイン代表の魔術師。

436試合で77ゴール141アシストを記録し、4度のリーグ優勝に貢献。

ゲームを支配するパスワークで「エル・マヒコ(魔法使い)」の異名を持つ。

ヴァンサン・コンパニ(2008-2019、DF)

キャプテンとして360試合に出場。

堅実な守備とリーダーシップで4度のリーグ優勝を牽引。

2011-12シーズンのマンU戦での決勝ゴールは象徴的。

 

現在の主力選手

ケヴィン・デ・ブライネ(2015-、MF)

プレミアリーグ最多アシスト記録(2019-20、20アシスト)を持つ中盤の核。

2025年4月時点で415試合出場、6度のリーグ優勝。パスと長距離シュートで試合を支配。

 

 

アーリング・ハーランド(2022-、FW)

2022-23シーズンに52ゴール(リーグ36ゴール)を記録し、プレミアリーグ記録を更新。

2023年UEFA最優秀選手賞受賞。驚異的な得点力で3冠に貢献。

 

 

フィル・フォーデン(2017-、MF/FW)

地元出身のアカデミー育ち。

2022-23シーズンの活躍で若手最高選手に選出。

柔軟なポジションと創造性で将来のエース候補。

 

 

ロドリ(2019-、MF)

守備的MFとして攻守のバランスを司る。2023年チャンピオンズリーグ決勝の決勝ゴールで3冠を決定。

安定感抜群の現代最高のアンカー。

 

 

ルベン・ディアス(2020-、DF)

堅牢な守備で最終ラインを統率。

2020-21シーズンのリーグ最優秀選手に選ばれ、4連覇の守備の要として活躍。

 

 

クラブの現在と未来

マンチェスター・シティは、2023-24シーズン終了時点で10度のリーグ優勝、7度のFAカップ、8度のリーグカップ、1度のチャンピオンズリーグなど、計36の主要タイトルを誇ります。

グアルディオラの戦術と若手育成、アブダビ資本の投資により、欧州サッカーの頂点を維持。

しかし、2009-18年の財務規則違反疑惑による115件のプレミアリーグ調査は、クラブの評判に影を落としています。

未来に向けて、フォーデンやハーランドら若手と、グアルディオラの長期政権が鍵。

エティハドの拡張や育成施設の強化も進み、さらなる成功を目指します。

まとめ

マンチェスター・シティFCは、140年以上の歴史で幾多の試練を乗り越え、現代サッカーの頂点に立っています。

トラウトマンやベルの時代から、アグエロ、ハーランドへと受け継がれた情熱は、ファンに感動を与え続けます。

歴史と現在のスター選手を知ることで、シティの魅力がより深く感じられるでしょう。

スカイブルーの物語は、これからも世界を魅了し続けるはずです。

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