サッカーは90分間走り続ける過酷なスポーツですが、ベンチに控える選手たちがいつ、どのように投入されるかで勝敗が左右されることも珍しくありません。
まずは基本的な決まり事から見ていきましょう。
基本ルール:交代できる人数は「5人」がスタンダード
以前は1試合につき3人まででしたが、現在は「5人」までの交代が多くのリーグや国際大会で定着しています。
これにより、チームの半数近く(フィールドプレイヤー10人のうち5人)が入れ替わることが可能となり、戦術の幅が大きく広がりました。
「交代回数」には制限がある
5人代えられるからといって、いつでも自由に試合を止めていいわけではありません。
頻繁な中断による遅延行為を防ぐため、交代を行えるタイミング(回数)は「ハーフタイムを除いて3回まで」と決められています。
- ハーフタイム: 回数に含まれません。ここで何人代えてもOKです。
- プレイ中: 3回のチャンスしかありません。そのため、1回のタイミングで2人や3人を同時に代える「複数枚替え」がよく見られます。
スムーズな進行のための「退場ルール」
選手がピッチを出入りする際の手順も、昔とは少し変わっています。
- どこから出ても良い: かつてはハーフウェーライン(ピッチ中央)まで戻って交代していましたが、現在は「自分がいる場所から一番近い境界線(タッチラインやゴールライン)」から出なければなりません。これは、勝っているチームが時間を稼ぐためにわざとゆっくり歩くのを防ぐための処置です。
- 入る時は中央から: 新しく入る選手は、交代する選手がピッチを出た後、審判の合図を受けてハーフウェーラインから入場します。
監督の狙いを読む!交代の「3つの目的」
監督が動く時、そこには必ず明確な理由があります。
交代選手が準備を始めたら、「どのパターンかな?」と予想してみましょう。
① 攻撃の活性化(点を取りに行く)
負けている時や同点の場面でよく見られます。
疲れが見えるフォワードを下げて元気なストライカーを入れたり、ディフェンダーを減らして攻撃的な選手を増やしたりする「勝負手」です。
「スーパーサブ」と呼ばれる、途中出場で結果を残すスペシャリストも存在します。
② 守備の強化(逃げ切りを図る)
勝っている試合の終盤では、攻撃の選手を下げて守備が得意なディフェンダーやボランチを投入することがあります。
守りを固めて相手の攻撃を跳ね返し、時計の針を進めるための「クローザー」的な役割です。
③ 不測の事態への対応(怪我・退場)
アクシデントによる交代です。
選手が負傷してプレー続行不可能になったり、レッドカードで退場者が出て戦術変更を余儀なくされたりした場合に行われます。
監督にとっては計算外の事態であり、腕の見せ所でもあります。
知っておくと通ぶれる「特別ルール」
現代サッカーには、通常の5人枠とは別に設けられた特別な規定があります。
- 延長戦での追加枠: トーナメント戦などで延長戦に入った場合、「6人目」の交代が認められる大会が多くあります。
- 脳震盪による交代: 選手が頭を打ち、脳震盪の疑いがあると医師が判断した場合、通常の交代枠を使い切っていても、特例として追加で交代が認められます(「脳震盪による交代」)。これは選手の安全を最優先するための重要なルールです。
まとめ
サッカーの選手交代は、単なるメンバーチェンジではありません。
- 「5人枠・3回」のルールを駆使した駆け引き
- 時間短縮のために「最短距離」でピッチを出る
- 「点を取りたい」のか「守りたい」のかというメッセージ
これらを理解してベンチの動きに注目すると、ピッチ上の攻防だけでなく、監督同士の知恵比べというもう一つの熱い戦いが見えてきます。
次に試合を見る時は、ぜひ「誰と誰が代わったか」だけでなく「なぜ今代えたのか」を想像してみてください。







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