バレンシアCFは、スペイン・バレンシア州バレンシア市を本拠地とするサッカークラブで、1919年に創設されました。
スペイン国内でも屈指の伝統と歴史を誇るクラブで、ラ・リーガの強豪チームとして知られています。
本拠地であるメスタージャは、スペインで最も歴史あるスタジアムの一つとして有名で、クラブの象徴とも言える存在です。
バレンシアは多くのタイトルを獲得し、特に20世紀後半から21世紀初頭にかけては、国内外の舞台で輝かしい成功を収めました。
クラブ創設と初期の歴史
バレンシアCFは1919年3月18日に設立され、地域リーグを経て着実に力をつけていきました。
1931年には新スタジアム「メスタージャ」が完成し、クラブの成長の基盤を築きます。
1934-35シーズンに初めて1部リーグに昇格し、その後、スペイン内戦を乗り越えてクラブはさらなる成長を遂げます。
1940年代から1950年代:初の栄光
バレンシアが最初に輝きを見せたのは1940年代です。
リカルド・サモラ監督の指導のもと、クラブは攻撃的なサッカーで多くのゴールを挙げ、以下のタイトルを獲得しました。
- 1941-42、1943-44、1946-47シーズン:ラ・リーガ優勝(3回)
- コパ・デル・レイ優勝(1941年)
特にこの時期は、アントニオ・プエルタやアモロスなどの優秀な選手がチームを支え、クラブ初の黄金時代と呼ばれました。
1980年代から90年代:躍進と試練
1980年代はクラブにとって試練の時代でした。
財政難や成績低迷により、1985-86シーズンには2部降格という屈辱を経験します。
しかし、すぐに1部復帰を果たし、1990年代には新たな躍進が始まります。
特に、アドリアン・イリーア監督や選手たちの奮闘で再び上位に食い込み、1999年にはUEFAチャンピオンズリーグ決勝に初進出。
この頃には後にスター選手となるガイスカ・メンディエタやサンティアゴ・カニサレスが中心選手として活躍しました。
2000年代:黄金期の到来
バレンシアCFのクラブ史上最大の栄光は2000年代初頭に訪れます。
この時期、ラファエル・ベニテス監督の指導のもと、チームは抜群の戦術と堅固な守備で国内外でタイトルを獲得しました。
主な実績
- 2001-02シーズン:ラ・リーガ優勝
- 2003-04シーズン:ラ・リーガ優勝
- 2004年:UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝
- 2004年:UEFAスーパーカップ優勝
ベニテス監督の戦術は堅守速攻を軸とし、フランス代表FWジネディーヌ・マケレレやキャプテンのガイスカ・メンディエタ、堅守の要だったロベルト・アジャラが中心となり、世界最高レベルのチームに成長しました。
近年の動向
2000年代後半以降、バレンシアは財政問題に直面し、主力選手の放出を余儀なくされる時期が続きました。
しかし、クラブは若手選手の育成や堅実なスカウト戦略により、再建を進めています。
成功への兆し
2018-19シーズンには、コパ・デル・レイ決勝でバルセロナを破り、11年ぶりのタイトルを獲得。
これにより、クラブ再建の成果が見え始め、サポーターを歓喜させました。
主な所属選手
歴代のスター選手
- ガイスカ・メンディエタ:バレンシアの象徴的MFで、攻撃の司令塔として黄金期を支えた選手。
- サンティアゴ・カニサレス:高いセービング技術を持つゴールキーパー。チームの守備の柱。
- ロベルト・アジャラ:クラブ史上最高のDFの一人で、卓越したリーダーシップを発揮。
- ダビド・ビジャ:スペイン屈指のストライカーで、在籍時には数多くのゴールを決めました。
- ファン・マタ:バレンシア時代に実力を開花し、スペイン代表にも定着した攻撃的MF。
現代の注目選手
- ホセ・ガヤ:クラブ生え抜きで、左サイドバックとしてチームを支えるキャプテン。
- ゴンサロ・ゲデス:攻撃のキーマンとして期待されるポルトガル出身のアタッカー。
- ユヌス・ムサ:アメリカ代表MFで、バレンシアの中盤の将来を担う若手選手。
メスタージャ:クラブの聖地
バレンシアCFのホームスタジアムメスタージャは、1923年に建設され、スペインで最も歴史のあるスタジアムの一つです。
約50,000人の観客を収容できるこのスタジアムは、バレンシア市民にとってサッカーの聖地であり、ホームゲームでは熱狂的なサポートが送られます。
まとめ
バレンシアCFは、スペイン国内外で数々のタイトルを手にしてきた名門クラブです。
輝かしい黄金期と試練の時代を経ながらも、伝統を守りつつ新たなスターを生み出し続けるクラブとして存在感を示しています。
これからもバレンシアは、育成を基盤にさらなる成功を目指し、サッカーファンを魅了し続けることでしょう。
コメント