高校選手権優勝チームのメンバーとして刻んだ出場時間は、わずか1分だった。直接のプロ入りも叶わず、大学へ進んだ。それでも関根大輝は今、フランス1部リーグ・アンのスタッド・ランスで右サイドバックとして戦っています。
身長187cmと機動力を兼ね備えた大型DFで、伊東純也・中村敬斗ら日本代表選手が揃う同クラブの一員として欧州の舞台に立っています。
Jリーグでのプロ初年度にU-23日本代表、パリ五輪出場、A代表選出と、とにかく出世が速い。しかしその軌跡をたどれば、着実な積み上げがあります。
原点と学生時代
関根は小学校時代、フォワードとしてプレーしていました。
足元にこだわるチームで、コーンドリブルやスラロームリフティングを繰り返し積み上げてきたといいます。
中学・高校は、技術の名門として知られる静岡学園へ進学。センターバックとして、足元の技術を磨き続けました。
高校2年時には第98回全国高等学校サッカー選手権大会で優勝を経験しましたが、大会を通じた出場時間はわずか1分。
勝利の歓喜を分かち合ったものの、ピッチに立てたのはほんの一瞬でした。そのため、高卒でのプロ入りは叶わず、拓殖大学へ進学することになります。
しかし大学でも、運命の転換が待っていました。大学1年の紅白戦中、急に右サイドバックの位置にマグネットが置かれ、そのままコンバートされたといいます。
本人は「デカいサイドバックは日本にもあまりいない。サイドバックに転向したことがターニングポイントになった」と振り返っています。
センターバックとして鍛えた守備力と、静岡学園で磨いた足元の技術が、新しいポジションで一気に花開きました。
拓殖大3年時には関東大学サッカーリーグ1部での活躍が評価され、2023年5月に柏レイソルへの2025年シーズンからの加入内定が発表されました。
「最初にオファーくれたチームに行きたい」と関根自身が語っており、決断は早かったといいます。
プロ入り後の歩みと転機
2023年5月24日、YBCルヴァンカップグループステージ・鹿島アントラーズ戦で先発出場しプロデビュー。
この時点ではまだ大学3年生でした。その後、本来は2025年シーズンからの加入予定だったところを1年前倒しして決断します。
2024年シーズン、開幕よりレギュラーとして先発出場を続け、3月15日にはプロA契約を締結。在学中にプロの世界でスタメンを掴むというのは、簡単ではありません。
J1での2024年の成績は31試合出場。柏の守備陣として安定した出場を重ねました。
クラブでの活躍を足場に、代表のキャリアも急速に広がります。2024年4月のAFC U23アジアカップ2024に初選出されると、初先発でチームに貢献。
大会優勝を果たし、パリオリンピック出場を決めました。同大会では右サイドバックとして5試合にフル出場し、強さと運動量、技術の高さを示しました。
オリンピック本大会でも4試合中3試合に先発出場。マリ戦やスペイン戦で世界レベルの厳しさを体感し、関根本人はパリ五輪のこれらの試合を「成長の瞬間」として挙げています。
五輪の舞台が、A代表という次の目標を「確固たるもの」に変えました。
その後、A代表にも選出され、2025年6月10日のインドネシア戦でA代表デビューを果たしています。
A代表に初選出された10月に続いて、11月のW杯アジア最終予選でも2回連続の追加招集という、なかなかのレアケースも経験しました。
そして2025年1月。フランス1部リーグ・アンのスタッド・ランスへ完全移籍。1月25日、パリ・サンジェルマンとの試合で移籍後初出場を果たしました。
Jリーグから直接フランスの5大リーグへ。中継地を挟まない形でのステップアップで、伊東純也・中村敬斗ともに柏レイソルに縁のある3人が、ランスで「日本人トリオ」として顔を揃えることになりました。同年11月にはカップ戦でプロ初ゴールも記録しています。
プレースタイルの特徴と主な実績
187cmの高さが、関根最大の特徴です。右サイドバックとして、空中戦での強さは日本国内でも希少な部類に入ります。
U-23ウクライナ代表戦では、相手が対角のロングボールで起点を作ろうとするたびに、最終ラインで最も背の高い右サイドバックの関根がことごとく1対1の空中戦を制し、完封勝利に貢献。
本人も「自分が使われている意味はそういうところにある」と自覚しています。
身長だけの選手ではありません。攻撃参加での前線への駆け上がりと、正確なクロスも持ち味で、「攻撃参加やクロスの質、球種は自分の特徴」と本人も語っています。
小学校から培った足元の技術は、静岡学園で洗練され、サイドバックへのコンバートで改めて武器として機能しています。
柏での指導を通じて縦突破やサイドでの守備といった基本動作を磨いたことで、現代サッカーに求められるサイドバックとしての土台を固めました。
高さ、テクニック、運動量が一体となったプレーは、攻守双方で計算できる選手です。
主な実績として、2019年度の第98回全国高校サッカー選手権大会優勝(静岡学園)、2024年AFC U23アジアカップ優勝によるパリオリンピック出場権獲得、同五輪本大会出場が挙げられます。
代表歴はU-22代表、U-23代表を経てA代表へと進んでいます。
まとめ
選手権で1分しか出られなかった高校2年生が、プロ初年度にJ1スタメン、U-23アジアカップ優勝、パリ五輪、A代表、フランス5大リーグと、とにかく止まらない。
関根大輝のキャリアは、チャンスを掴むたびに次のステージへ引き上げられる、上昇の連続です。
「戦いの場は海外へと移りますが、柏レイソルで学んだことをこれからも自分らしく表現し、もっと上の舞台に駆け上がっていけるように頑張ります」と語った関根が、スタッド・ランスからどこへ向かうのか。
「日本代表の右サイドバックになりたい」という大学時代の目標が、現実として射程に入ってきています。






















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