東京ヴェルディ1969:日本

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日本のサッカー界において、最も輝かしい歴史と、最も深い苦難の双方を経験したクラブといえば、東京ヴェルディを置いて他にないでしょう。

1969年の創設から「読売サッカークラブ」として日本サッカーのプロ化を牽引し、Jリーグ開幕時には初代王者として黄金時代を築き上げました。

その後、長い低迷期を経て2024年に16年ぶりのJ1復帰を果たし、再び日本トップレベルでの挑戦を続けています。

本記事では、この名門クラブの波乱万丈な歴史と、その歴史を彩った名選手たちについて詳述します。

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日本サッカーの先駆者:読売クラブの誕生とプロ化への意志

東京ヴェルディの歴史は、1969年に創設された「読売サッカークラブ」に遡ります。

当時の日本サッカー界は実業団チームが主流でしたが、読売クラブは「日本初のプロを目指すクラブ」という理念を掲げ、欧州や南米のクラブ組織をモデルとした育成システムをいち早く導入しました。

1970年代後半から1980年代にかけて、読売クラブは圧倒的な強さを誇りました。

ジョージ与那城やラモス瑠偉といったテクニシャンを擁し、日本サッカーリーグ(JSL)で数多くのタイトルを獲得。

特に1980年代後半には、後にJリーグを席巻するカズこと三浦知良がブラジルから帰国して加入し、チームの華やかさと実力は絶頂に達しました。

この時期に培われた「魅せて勝つ」という攻撃的なスタイルと、勝利への強い執念は、現在もヴェルディのアイデンティティとして受け継がれています。

Jリーグ開幕と「黄金時代」:ヴェルディ川崎の旋風

1993年、Jリーグの開幕とともにチームは「ヴェルディ川崎」へと名を改めます。

開幕当初のヴェルディは、まさに日本代表の主力をそのまま集めたようなスター軍団でした。

三浦知良、ラモス瑠偉、北澤豪、武田修宏、柱谷哲二といった人気・実力ともにトップクラスの選手を揃え、1993年、1994年とJリーグ連覇を達成。

 

 

ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)でも3連覇を果たすなど、日本サッカー界の象徴的な存在となりました。

当時のヴェルディは単なるサッカーチームの枠を超えた社会的ブームを巻き起こし、その緑のユニフォームはサッカー少年の憧れの的でした。

 

 

しかし、この栄華は長くは続きませんでした。スター選手たちの高額な年俸が経営を圧迫し始め、また親会社の方針変更なども重なり、1990年代後半から徐々にチーム力は低下。

1998年には三浦知良が退団するなど、時代の転換点を迎えることとなります。

東京への移転と暗転:J2降格と経営の危機

2001年、クラブは本拠地を川崎市から東京都(味の素スタジアム)へと移し、チーム名を「東京ヴェルディ1969」へと変更します。

しかし、移転後もかつての輝きを取り戻すことは難しく、2005年にはクラブ史上初となるJ2降格という衝撃的な事態に見舞われました。

2008年に一度はJ1復帰を果たすものの、わずか1年で再降格。

さらに2009年には、長年メインスポンサーであった日本テレビが経営から撤退することを発表し、クラブは存続の危機に立たされました。

一時は消滅の可能性すら囁かれましたが、サポーターや新たなスポンサー、そしてJリーグの支援により何とか持ち堪えます。

その後、クラブはかつてのスター補強路線から一転し、自前のアカデミー(育成組織)で育てた若手を主体とする、極めて健全で、かつ伝統的な技術を重視するスタイルへと舵を切ることとなりました。

復活の序章:16年ぶりのJ1昇格と新たな希望

J2という「沼」の中で15年という長い年月を過ごしたヴェルディでしたが、その間も育成組織の質は落ちることはありませんでした。

そして2023年、城福浩監督のもとで粘り強い守備と組織力を磨き上げたチームは、J1昇格プレーオフを劇的に制し、ついに2024年からのJ1復帰を勝ち取りました。

 

 

16年ぶりとなった2024年シーズンのJ1では、開幕から上位を争う健闘を見せ、最終的に6位という素晴らしい成績でフィニッシュ。

 

 

かつての「金満スター軍団」ではなく、アカデミー出身の生え抜き選手と、献身的に走るプロフェッショナルたちが融合した新生ヴェルディの姿は、古くからのファンだけでなく新たな世代のサポーターをも熱狂させました。

現在(2025年〜2026年)も、東京を代表する名門としての誇りを取り戻すべく、トップリーグでの戦いを続けています。

クラブを彩った伝説の所属選手たち

東京ヴェルディの歴史を語る上で、その名を刻んだ選手たちの存在は欠かせません。

三浦知良(キングカズ)

日本サッカー界のレジェンド。

ブラジルでプロとなり、帰国後は読売・ヴェルディでエースとして君臨。

1993年のJリーグ初代MVPに輝き、日本にサッカーブームを定着させた最大の功労者です。

 

 

 

ラモス瑠偉

読売クラブ時代から長くチームを支えた精神的支柱。

卓越したテクニックと情熱的なプレーで、日本代表としても活躍しました。

彼が発する「ヴェルディ魂」という言葉は、今もクラブの哲学となっています。

 

 

北澤豪

無尽蔵のスタミナでピッチを駆け回る「ダイナモ」。

華やかなスターが多い中で、泥臭い献身的なプレーでチームを支え続けました。

ビスマルク

Jリーグ黎明期を支えたブラジル人助っ人の代表格。

高い技術と高い知性を兼ね備えた司令塔として、多くのゴールとアシストを記録しました。

 

 

フッキ

後にブラジル代表として世界的に有名になる怪物。若手時代にヴェルディに在籍し、J2で得点王を獲得するなど圧倒的なパワーを見せつけました。

 

 

育成のヴェルディ:アカデミー出身の現役スター

現在のヴェルディを支えているのは、世界でも高く評価される育成組織「東京ヴェルディユース」出身の選手たちです。

中島翔哉

圧倒的なドリブルテクニックを持つ天才。

ヴェルディで育ち、欧州やカタール、そして日本代表でも10番を背負うなど活躍しました。

 

 

森田晃樹

現在のチームの主将であり、象徴的な存在。

精密なパスワークと高いインテリジェンスを誇り、ヴェルディのスタイルを体現する選手です。

 

 

藤田譲瑠チマ

身体能力と状況判断に優れたボランチ。

若くしてJ1で頭角を現し、現在は欧州へと羽ばたき、日本代表の次世代を担う存在として期待されています。

 

 

 

谷口栄斗

堅実な守備とビルドアップ能力を備えたセンターバック。

アカデミーから大学を経て復帰し、守備の要としてチームを支えています。

 

 

最後に

東京ヴェルディは「過去の栄光」と「未来への育成」が共存する、稀有な魅力を持ったクラブです。

紆余曲折を経てJ1の舞台に戻ってきた彼らが、再び日本の頂点に立つ日は、そう遠くないのかもしれません。

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