プレミアリーグの歴史を塗り替える移籍金でチェルシーに加わり、いまや世界最高の守備的ミッドフィールダーの一人として確固たる地位を築いているのが、モイセス・カイセド選手です。
エクアドルの貧しい家庭から這い上がり、圧倒的なボール奪取能力と強靭なフィジカルを武器に、欧州最高峰の舞台で輝きを放っています。
ブライトンでの躍進を経て、巨額の期待を背負いながら名門チェルシーの心臓へと成長した彼のキャリアは、まさに現代サッカーの成功を象徴する物語です。
本稿では、若き「掃除屋」カイセド選手のこれまでの歩みと現在地を振り返ります。
エクアドルからの芽生え:インデペンディエンテ・デル・バジェ時代
モイセス・カイセド選手は2001年、エクアドルのサント・ドミンゴで10人兄弟の末っ子として生まれました。
地元のクラブで才能を見出された彼は、同国屈指の育成の名門インデペンディエンテ・デル・バジェの下部組織に加入します。
2019年に若干17歳でトップチームデビューを飾ると、その類まれな戦術理解度と守備センスですぐさま主力へと定着。
2020年にはリベルタドーレス杯(南米のクラブ王者決定戦)でも活躍し、欧州のスカウトたちの視線を一気に集めることとなりました。
この時期に培われた「献身的な守備」と「正確なビルドアップ」の基礎が、後の世界的な飛躍を支える土台となりました。
ブライトンでの覚醒:三笘薫らと共に刻んだ躍進
2021年2月、イングランド・プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンへ完全移籍。
加入当初はベルギーへのレンタル移籍も経験しましたが、2022年4月にブライトンで先発の座を掴むと、その評価は爆発的に高まります。
特に2022-23シーズンは、三笘薫選手らと共にチームの歴史を塗り替える快進撃の中心人物となりました。

中盤のあらゆるエリアをカバーする豊富な運動量と、相手の攻撃の芽を摘み取る鋭いタックルは「プレミアリーグで最も攻略が困難な壁」と称されました。
この活躍により、ビッグクラブ間での熾烈な争奪戦へと発展することになります。
チェルシー移籍と「1億1500万ポンド」の重圧
2023年夏、リヴァプールとの競合の末、チェルシーFCがプレミアリーグ史上最高額(当時)となる1億1500万ポンドの移籍金で彼を獲得しました。
あまりにも高額な移籍金は大きなプレッシャーとなりましたが、彼はピッチ上のパフォーマンスでその価値を証明し始めます。
加入1年目の2023-24シーズンはチーム全体の不調もあり試行錯誤が続きましたが、シーズン後半にはエンツォ・フェルナンデス選手とのコンビネーションを確立。
中盤のバランスを司るアンカーとして、名門復活の鍵を握る存在となりました。
真の世界トップレベルへ
2025-26シーズン、エンツォ・マレスカ監督の下でカイセド選手は完全なる覚醒を遂げました。
2025年8月のウェストハム戦でチェルシー通算100試合出場を達成すると、同年10月にはUEFAチャンピオンズリーグのアイアックス戦で自身初となるCLゴールを記録。
2026年現在、プレミアリーグにおいて成功したタックル数やパス精度でリーグ屈指のスタッツを維持しており、1億ユーロを超える市場価値に違わぬ存在感を放っています。
かつての「守備専門」というイメージを覆し、高い位置でのチャンスメイクや強烈なミドルシュートを武器にした「完全無欠のMF」へと進化を遂げています。
まとめ:エクアドルの星から、世界の主役へ
モイセス・カイセド選手のキャリアは、絶え間ない自己更新の連続でした。
南米の有望株からプレミアリーグのライジングスター、そして史上最高額の戦士へとステップアップしてきた彼は、24歳という若さにしてチェルシーとエクアドル代表の双方で欠かせないリーダーへと成長しました。
2026年、彼が率いるチェルシーは再びタイトルを狙える位置におり、カイセド選手の双肩にはさらなる期待がかかっています。
ボールを奪い、配給し、時には自ら決める。
中盤のすべてを支配するこの若きダイナモが、これからどのような伝説を刻んでいくのか。
世界中のサッカーファンがその一挙手一投足に注目しています。







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